赤ちゃんと僕

赤ちゃんを育てるけなげな小学生男子のストーリー

漫画「赤ちゃんと僕」は、羅川真里茂先生が雑誌「花とゆめ」に1991年から連載していたコミックで、単行本は全18巻、白泉社文庫も発売されています。
また、TVアニメにもなり、人気を博しました。

主人公は小学5年生男子の榎木拓也くん。榎木家には2歳の実くん(みの)がいます。
でも、お母さんはいません。不慮の事故で亡くなってしまったのです。
お父さんの榎木春美氏は仕事で忙しく、子育てをなかなか出来ません。
そのため、主な家事や子育ては拓也くんがひとりでこなさなければならないのです。
これは遊びたいざかりの小学生男子にはつらいことです。
加えて赤ちゃんはなかなか自分の思うようには行動してくれません。時にはわがままも言いますし、かんしゃくを起こすこともある。
赤ちゃんなんだからそれは仕方ない、と頭ではわかっていても、小学生にとっては精神的にきつく感じることもあります。
拓也くんは基本的に良く出来た男の子で、性格もいいのですが、やっぱり時には腹を立てたり、嫌になったりすることもあります。
でも、赤ちゃんの「みの」は、拓也くんが母親代わり。拓也くんの愛に飢えているし、絶対的に信頼している。
その純粋な姿を見て、自分の至らなさに気づき、最後にはみのを全力で守ろうと誓う。
そうした拓也くんのけなげな姿に、心打たれるのです。

ただの「いい話」に終わってない深い世界観

「赤ちゃんと僕」に出てくる登場人物は、みんなが善人ではありません。
主人公の拓也くんにしても、頑張ってはいるけれど、何度も壁にぶちあたり、もがきます。
また拓也くんのクラスメートにも、様々な子供がいて、つらい事情やトラウマを持った子供もいます。
でも、みんななんとか自分の人生を切り開こうと必死なのです。
みのは保育園でいじめにあったりもします。
でもそのことをお兄さんに言うことが出来ない。とてもつらい思いをします。
そうした、甘いばかりではない現実で小さな子供はどう生きればいいのか?
考えさせられる内容です。
安直な解決策はありません。
でも、家族の愛情が状況を少しづつ変えていく。
その物語に、元気づけられる。

赤ちゃんは可愛いばかりではない。大変なこともある。
でも、やっぱり赤ちゃんはとても愛おしい。
そんなことを改めて感じさせる漫画です。

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